署長あいさつ
みなさん、こんにちは。
名寄警察署長の菊地でございます。
先月、ここでの御挨拶で、特殊詐欺、SNS型投資・ロマンス詐欺について書かせてい
ただきました。
しかし、残念ながら、当署管内においても、先月末に、60歳代女性が1,700万円をだま
し取られる特殊詐欺被害が発生してしまいました。
被害状況は、被害女性がパソコン画面に表示された広告をクリックしたところ、突然、
画面に「ウィルスに感染した」と警告表示され大きな警告音がなったので、被害者が驚い
て警告画面に表示された電話番号に連絡しました。すると、相手は、片言の日本語で「パ
ソコンがウィルスに感染した。あなたのインターネットバンキングの口座が危ない、残高
はありますか。調べるので口座のID、パスワードを教えてください」などと言葉巧みに
個人情報を聞き出し、気がつくと1,700万円が引き落とされていたという事案です。
当署管内において、このような被害が発生してしまったことは、非常に残念でなりませ
ん。
また最近では、警察官を騙(かた)る特殊詐欺の犯人が、実在する警察署の電話番号を
偽装して表示させたり、警察手帳や逮捕状の画像をメール等で送り相手を信じ込ませる、
新たな手口を確認しています。
今年1月から先月末までの間、名寄警察署には、名寄市に住む方から兵庫県警や愛知県
警、長野県警などの警察官を名乗る者から『「あなた名義の銀行口座が特殊詐欺の振込口
座に使われている」「あなたは逮捕される」という不審な電話がきた』という相談が10件
以上寄せられています。
相談されてきた方の中には、通話先の相手とLINEのビデオ通話を利用して対面した
方もいらっしゃいました。
これらの詐欺電話の着信画面には、実在する警察署の電話番号が表示されることもあり
ます。
警察官が電話で皆様方に捜査対象となっていることを伝えることはありませんし、警察
官がラインやインスタグラム等のSNSで連絡することはありません。
また、警察官がSNSのビデオ通話で警察手帳や身分証を提示することもありません。
名寄警察署は、皆様の協力を頂いて知恵を出し合うとともに、地域の絆(きずな)を更
に深めて注意を喚起し、詐欺被害の未然防止に努めていきたいと思っております。
今後も「安全で安心な地域づくり」のため、皆様の協力を得ながら、犯罪の未然防止、
体感治安の向上を図るため、一層努力していく所存でありますので、どうか御支援をよろ
しくお願い申し上げます。
結びになりますが、皆様方の益々(ますます)の御健勝と御多幸を祈念いたしまして、
今月の私の挨拶とさせていただきます。
令和7年6月1日
旭川方面名寄警察署長
菊地 俊也