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TEL. 011-704-0110

〒065-0016 札幌市東区北16条東1丁目3-15

署長あいさつ


 東警察署のホームページをいつもご覧いただきましてありがとうございます。
 時が過ぎるのは早いもので、東警察署長として着任してから8ヶ月が経ちました。この間、東区で起きた様々な事件・事故に署員一丸となって対応してきました。各種事件捜査にあたり、ご協力をいただきました住民の皆様、事業所等の皆様、ありがとうございました。

 令和7年10月末時点(1月~10月までの概数)の東警察署の犯罪統計ですが、刑法犯認知件数は1,403件、前年同期1,335件でしたので68件の増加となっております。主な罪種を見てみると、粗暴犯(暴行、傷害、脅迫等)は199件(前年同期120件)、79件の増加となっています。窃盗犯では自転車盗が403件(前年同期394件)、9件の増加、万引きが306件(前年同期262件)、44件の増加となっています。

 下記の表は平成27年から令和6年までの自転車盗認知件数です。




 自転車盗に関して私見を述べます。このまま推移すると令和7年の認知件数は450件前後に達する公算が大きいです。令和2年ころに認知件数が減少していますが、これは新型コロナ感染症による社会生活停滞が影響しているものと考えられます。社会生活が復調した令和5年は454件、令和6年は450件の自転車盗難事件が発生しています。
 市民生活に身近な犯罪が多いことは住民の体感治安悪化につながるので、この件数に危機感を抱いています。東区内で一年間に450台の自転車が盗まれる状態を普通の状態にしてはいけないと思っています。

 令和8年は自転車盗難被害を抑止するため、警察は職務質問活動を推進します。しかし、警察活動だけでは不十分です。自転車利用者は確実に自転車の施錠をすること。加えて、自転車を利用する際は自転車に標準装備されている鍵のほかにワイヤー錠またはU字ロック錠などの施錠設備の活用をお願いします(いわゆるツーロック)。

 被害に遭わない行動も大切ですが、最も大切なことは、自転車盗をしない、させない、許さない地域社会の気運を高めることです。自転車盗は軽微な犯罪ではありません。窃盗罪という犯罪です。自転車盗の認知件数が高い水準で推移していることには道徳的な問題が存在していると感じています。人のモノを盗んではいけない、社会生活を営む上で当たり前の行動指針です。では、私自身、その当たり前を誰から教わったのか?考えても明確な記憶は思い出せません。おそらく両親だと思いますが、そのときの言葉や状況は覚えていません。小学校の恩師だったのかも知れませんが、それもハッキリとしません。ですが、人のモノを盗んではいけない、という行動指針は身に付いているのです。自転車を盗む犯人と、その者の周りにいる家族、友人などには気付いて欲しい。ちょっと足代わりに他人の自転車の盗む行為がどれだけ人の気持ちを傷つけるか、社会不安を助長するか、人の心の痛みを想像することができれば人のモノを盗まない筈です。そして、それを子どものときから周囲の大人が教えることが重要なのです。
 
 交通安全運動、地域安全運動、暴力追放運動などを推進する各種団体の皆様の地道な活動によって、住みよい街、東区を維持してきたのだと深く感謝いたします。

 その中でも、早苗信隆様と安田謙一様の二名の方をご紹介します。
 早苗様は北海道警察の嘱託医として24年にわたり遺体検案に携わり、事件性の有無や死因の特定に尽力されてきました。その功績に対して警察庁長官が民間の人に贈る最高位の表彰である「警察協力章」を受賞されました。
 安田様は29年にわたり札幌市東地区暴力追放運動推進協議会に加盟し、暴力追放、暴力団排除活動に携わり平成17年に同会会長に就任しました。その功績に対して、警察庁長官、全国暴力追放運動推進センター会長連盟の「暴力追放栄誉金賞」を受賞されました。
 改めて、お二人の労苦に対して謝意を述べたいと思います。「長年にわたりありがとうございまし た。この度の受賞おめでとうございます。」

 おわりに、警察行政において12月は特に緊張感が高まる時期です。
 強盗など重大事件の発生を予防し、住民の皆様が安心して年を越すことができるように「歳末警戒」を強化します。住民及び事業所の皆様も防犯意識を高め、交通安全に配意するようお願いします。良い年が迎えられることを願っています。

                               令和7年12月
                               東警察署長 長谷川 孝之