■ 北海道駒ケ岳火山活動概況
北海道駒ヶ岳では山頂火口原浅部がやや活発化していましたが、現在は収束傾向です。
今後の火山活動の推移には注意が必要です。
噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)が継続しています。
詳しくはこちらをご覧ください。(気象庁ホームページにリンクします。)
■ 北海道駒ケ岳の噴火史
駒ケ岳は10万年前に活動を開始したと考えられており、その後、現在までに20回以上の軽石噴火を起こし、3回以上山体を崩壊させていたことが、噴出物を調べることで分かっています。
最近の活動の多くは、古文書に記録されており、その数は20数回あります。その中でも1640年、1694年、1856年、1929年の4回は火砕流を伴う激しい軽石噴火でした。
1640年 (寛永17年) |
山体の一部が崩壊し、東側(鹿部町側)に崩れた一部が噴火湾になだれ込み津波が発生して700人あまりが溺死した。また、この噴火で降下した軽石は森町で100cm以上も堆積した。 |
1694年 (元禄7年) |
詳しい記録は残されていないが、噴火が2日間続いたことが記されており、降下した軽石は、鹿部漁業センター付近で200cm堆積した。 |
1856年 (安政3年) |
8月26日早朝から山麓で地震が頻発、同日午後9時ころから激しい軽石噴火が始まり約8時間続いた。これにより東麓では軽石が約60cm堆積、死者2名、負傷者多数、家屋17件焼失した。また、軽石噴火の途中から火砕流が発生し、留の湯で約20名の死者を出すとともに、噴火後、火口内に小さな溶岩ドームが形成された。 |
1929年 (昭和4年) |
噴火前に2回の無感地震後、6月17日午前0時30分ころから、鳴動とともに小噴火が始まった。9時間後に激しい軽石噴火へ移行し14時間継続し、軽石噴火発生の3時間後には火砕流が発生し始めた。 この噴火では、鹿部市街で軽石が約100cm堆積したほか、死者2名負傷者4名を出し、家屋、家畜・耕地・漁場に大きな被害を出した。 |
1942年 (昭和17年) |
11月26日午前8時ころから始まり約30分間続いた。この噴火では、噴煙の上昇とともに流下する噴煙(火砕サージ)が目撃されるとともに、火口原に長さ1.6kmの大亀裂が形成された。 |
1996年 (平成8年) |
3月5日午後6時10分ころから約6分間火山性微動を観測し、この噴火による火山灰は、風下側である主に七飯町周辺に積もった程度だったが、昭和4年火口の南側に新たな火口列が形成された。 |
1998年 (平成10年) |
噴火による被害はなかったものの、火口の付近で直径1mを超える噴石が確認された。 |
2000年 (平成12年) |
9月から11月にかけて6回の小噴火を繰り返した。 |
参考資料:駒ケ岳火山防災ハンドブック(駒ケ岳火山防災会議協議会)