○少年柔・剣道活動の推進について
昭和58年4月26日
道本例規(少)第19号
/道本部各部、課(室・隊・所)長/道学校長/各方面本部長/各警察署長/あて
少年柔・剣道活動については、従来から各警察署の実情に応じて推進されてきたところであるが、最近における少年非行の著しい増加傾向や非行防止活動の積極化を要望する世論の動向などにかんがみ、少年の非行防止と健全育成を図るための少年警察活動の一環として、今後、更に積極的に推進する必要があり、このため、別添のとおり、「少年柔・剣道活動実施要領」を定めたから、各警察署においては効果的な推進に配意し、少年の非行防止と健全育成に努められたい。
第1 (目的)関係
少年に対し、柔道及び剣道の指導等を通じて、礼節や規範意識の高揚、連帯感の醸成、克己心の涵養等を図り、合わせて、地域的な非行防止活動の高揚を図ろうとするものである。
第2 (少年柔・剣道活動の内容)関係
1 柔道及び剣道の訓練に当たつては、実技の修練のみに終ることなく、礼儀作法や講話を行うなど、精神修養の面にも配意するものとする。
2 少年に訓練の目標を与えるために、柔道及び剣道の段級審査を積極的に実施するとともに、実施に当たつては地域の柔・剣道連盟等と緊密な連携を図つて行うものとする。
3 日ごろの訓練の成果を確認するために、柔・剣道大会の開催に努めるとともに、他の地域との試合や市町村、教育委員会、スポーツ団体等が開催する地区大会等に積極的に参加し、非行防止活動が関係各機関と有機的な連関をもつて推進されるよう配意するものとする。
第3 (実施場所及び対象となる少年)関係
1 少年柔・剣道活動は、原則として警察署道場(以下「署道場」という。)を使用して行うこととしているが、当該活動に参加する少年が遠隔に居住するなどの地理的条件や署道場の使用が困難なときなどは、市町村の体育館等の利用に配意して行うものとする。
2 対象となる少年は、原則として小学生及び中学生であるが、効果的な活動を推進するため必要がある場合は、これらの少年以外の少年の参加についても配意するものとする。
第4 (推進方法)関係
1 この活動は、少年非行防止のための地域活動として推進する必要があるため、警察署単位又は市町村単位に柔・剣道推進会(以下「推進会」という。)を結成させて行うものとする。
2 推進会は、地区防犯協会、少年補導員連絡協議会、PTA及び子供会の会員、地域スポーツ団体のリーダー、対象となる少年の保護者等をもつて構成させるものとする。
3 防犯協会、父母会等において、既に、少年を対象に柔道、剣道を指導している場合は、それらを推進会として組織化するよう配意するものとする。
第5 (実施要領)関係
1 推進会が、対象少年の募集及び選考を行う場合は、署長と協議して行わせるものとする。
2 柔・剣道の訓練計画は、署道場の使用状況等を勘案のうえ、推進会と協議して作成するものとする。
3 少年柔・剣道活動の効果的な推進を図るため、推進会において会則を作成させ、提出させるものとする。
4 少年柔・剣道の指導者及び指導補助者については、北海道警察教養規程(平成13年警察本部訓令第33号)に定める術科指導員及び指導補助員をもつて当てるなど、指導能力にすぐれた適格者を指定するものとする。
5 職員の中から少年柔・剣道の指導者及び指導補助者を指定したときは、少年柔・剣道指導者等指定簿(別記様式)により明らかにしておくものとする。
なお、警察職員以外の者を指導補助者に指定したときは、推進会において委嘱状を交付させるものとする。
第6 (報償)関係
少年柔・剣道大会及び段級審査を実施するに当たつて、警察職員以外の有資格者を審判員として依頼した場合に、当該審判員に対し一定額の報償費を交付することとした。
第7 (留意事項)関係
1 少年柔・剣道活動に当たつては、受傷等事故防止に十分配意するとともに、警察職員以外の指導補助者及び対象少年については、いわゆる「スポーツ保険」に加入させるようにすること。
2 庁舎、署道場へ出入する者の身分を確認するため、対象少年及び推進会会員に庁舎出入証等を交付し、庁舎管理の徹底を期すこと。

※ 別記様式省略

別添
少年柔・剣道活動実施要領
1 目的
警察が、地域の青少年育成団体、青少年指導者、保護者及びその他の地域住民と連携して、少年に柔道及び剣道を指導し、もつて少年の非行防止と健全育成を図ろうとするものである。
2 少年柔・剣道活動の内容
少年柔・剣道活動の内容は、次のとおりとする。
(1) 柔道及び剣道の訓練
(2) 柔道及び剣道の段級審査
(3) 柔道及び剣道大会の開催
3 実施場所及び対象となる少年
(1) 少年柔・剣道活動は、原則として警察署道場を使用し、必要によりその他適当な施設を使用して行う。
(2) 少年柔・剣道活動は、原則として小学生及び中学生を対象として行う。
4 推進方法
警察署長は、少年柔・剣道活動が少年の非行防止と健全育成を図る地域活動として推進されるようにするために、警察署単位又は市町村単位に、青少年育成団体、青少年指導者、保護者及びその他の地域住民を構成員とする少年柔・剣道推進会(仮称。以下「推進会」という。)の結成を促し、推進会と一体となつてこの活動を推進するものとする。
5 実施要領
(1) 少年の募集及び選考は、推進会が警察署長と協議して行い、訓練実施計画は、警察署長が推進会と協議して作成するものとする。
(2) 少年柔・剣道の指導は、警察署長が署員の中から指導者及び指導補助者(以下「指導者」という。)を指定して行う。この場合指導補助者については、推進会の推薦する警察職員以外の者を当てることができるものとする。
(3) 推進会との連絡調整等の庶務は、警察署の生活安全第一課長及び生活安全課(係)長が行うものとする。
6 報償
(1) 少年柔・剣道大会及び段級審査を実施するに当たつて、警察職員以外の有資格者を審判員として依頼した場合に、当該審判員に対し報償費を交付するものとする。
(2) 報償費の支払いは、道警察学校長及び警察署長を債主(交付責任者)として前渡資金支払決定書を作成し、北海道財務規則(昭和45年北海道規則第30号)の定めるところにより支払うものとする。
この場合の支払科目は、(款)警察費、(項)警察活動費、(目)警察活動費、(節)報償費とする。
(3) 報償額は、審判員1人に対し1回5,000円とする。
(4) 審判員に報償費を交付したときは、執行事実を証明する審判依頼に係る部内決議書等を作成し、整理しておくものとする。
7 留意事項
(1) 大会等の開催に当たつては、少年柔・剣道協議会又は少年柔・剣道大会実行委員会等の設置を考慮し、円滑な実施に努めること。
(2) 少年及び指導者等の事故防止については十分配意するとともに、警察職員以外の指導補助者及び少年にあつては「スポーツ保険」等に加入させるなど不測の事態に備えること。
(3) 少年柔・剣道活動の機会を利用して適宜、非行防止座談会、社会参加活動、レクリエーシヨン活動等を推進するよう配意すること。