○災害対策基本法第57条および第79条による警察通信設備の運用について
昭和38年2月22日
/道本例規通達甲(勤)第3号/通信庶第133号/
/各方面本部長/各警察署長/各方面通信出張所長/あて
災害対策基本法(昭和36年法律第223号。以下「法」という。)第57条および第79条の規定に基づく警察通信設備の優先的利用等に関する趣旨および解釈運用については、さきに昭和37年12月6日付道本勤甲第1295号「災害対策基本法の運用について」をもつて通達したところであるが、今回警察庁警備局長ならびに通信局長名をもつて法第57条および同法施行令(昭和37年政令第288号。以下「令」という。)第22条に基づく都道府県知事または市町村長との協議に関する事務の処理および法第79条の運用について通達があつたので、次に留意のうえ各市町村長に警察通信設備を使用させることについて協議するなど、その取扱いに誤りなきを期されたい。
第1 令第22条の規定に基づく協議について
1 協議機関
令第22条の規定に基づく協議機関は、災害時において警察通信設備を使用する管内の市町村長と北海道警察本部長であるが、事実上の協議事務はそれぞれの市町村長と、その区域を管轄する所轄警察署長(2以上の警察署がある場合は、市町村役場の所在地を管轄する警察署の署長とし、この場合においては他の署長と必要な協議を行なうものとする。)が、道警本部長の名において行なうこと。
2 協議内容
(1) 市町村長に警察通信設備を使用させるのは、警察有線電話、警察無線電話および警察無線電信の3種に限定すること。
(2) 市町村長が、警察通信設備を使用する場合には、使用の承認を与える者(以下「通信統制官等」という。)に対してそのつど次の事項を申し出て承認を受けさせること。
ア 使用しようとする警察通信設備
イ 使用しようとする理由
ウ 通信の内容
エ 発信者および受信者
(3) 協定書(別添)は2部作成し、協定者相互が各1部を保管すること。
3 協議に関しての留意事項
(1) 警察通信設備を使用させるため市町村に警察通信設備の新設または増設、通信機器の貸与は原則として行なわないこと。
(2) 市町村長から法第56条の規定に基づく通知、伝達、要請、警告を行なう場合の対象者および対象者に対する平常時における連絡方法等について提示を求め警察通信設備を使用する場合の通信系路を検討しておくこと。
(3) 通信統制官等は、市町村長の申し込みの内容が法第57条の規定に適合し、警察通信で到達可能と認められる場合は承認をすること。
この場合においても当該通信の緊急性、通信の内容、受付順位等を斟酌して決定するものであることを了知させること。
(4) 通信統制官等の指定は、別表のとおりであるが、このうち警察無線電話、警察無線電信の使用の申し込みについての受理は、警察署にあつては次長が取り扱うこととし、この旨を使用せんとする各市町村長に教示すること。
(5) その他通信の取扱いについては、警察電話要則(昭和32年警察庁訓令第16号)、警察有線電送要則(昭和30年警察庁訓令第9号)警察無線通信要則(昭和30年警察庁訓令第8号)および北海道警察県内通信取扱規程(昭和32年道本部訓令第2号)、警察無線電話細目(警察庁通達)、警察無線電報細目(警察庁通達)の定めるところによること。
第2 法第79条の運用について
法第79条の規定に基づく使用については、事前協議の定めはないが運用上は法第57条に規定する協議の場合に準じて取り扱うこと。
なお、法第79条に規定する「応急措置の実施に必要な通信」とは、災害が発生した場合において、法第5章(災害応急対策)第4節(応急措置)各条に定める応急措置の活動のために必要な通信で、緊急かつ特別の必要があるときに使用することができるものと解されるので了知のこと。
第3 報告
管内各市町村長と協議し、協定書の交換を行なう場合は、別途送付する協定書に市町村長印を押印して道警察本部長に報告すること。この場合他方面にあつては、方面本部を経由して行なうこと。

別添

 

災害対策基本法に基づく通信設備の優先利用等に関する協定について

 

 災害対策基本法第57条に規定する通信設備の優先利用等に関して○○市(町、村)長と北海道警察本部長は、同法施行令第22条の規定に基づく協議の結果を次のとおり協定する。

 なお、同法第79条の規定に基づく通信設備の優先使用に関する事務の取扱いについても本協定を準用する。

    昭和38年  月  日

○○市(町、村)長 氏名印  

北海道警察本部長 青木誠   

災害対策基本法施行令第22条に基づく協定
第1 ○○市(町、村)長が、災害対策基本法(以下「法」という。)第57条の規定に基づき警察の有線電気通信設備もしくは無線設備を使用する場合は、本協定の定めるところによるものとする。
第2 ○○市(町、村)長が、法第57条の規定に基づき使用することのできる警察通信設備は、警察有線電話、警察無線電話および警察無線電信とする。
第3 ○○市(町、村)長が、法第57条の規定に基づき警察通信設備を使用する場合は、原則として当該市(町、村)の地域を管轄する警察機関の通信統制官等(別添「通信統制官等の指定」参照)に対して次の事項を申し出て承認をうけるものとする。
1 使用しようとする警察通信設備
2 使用しようとする理由
3 通信の内容
4 発信者および受信者
第4 通信統制官等は、当該申し込みの内容が、法第57条の規定に適合し、警察通信で到達可能と認めるときは、その使用を承認するものとする。この場合において受付けた通信の取扱い順位の決定は、通信統制官等が、当該通信の緊急性、通話の内容、受付順位等を斟酌して決定するものとすること。
第5 ○○市(町、村)長は、法第56条の規定に基づく伝達、通知または警告を行なう場合の対象者および当該対象者に対する平常時における連絡方法等警察通信設備の使用等に関する参考事項をあらかじめ当該市(町、村)の地域を管轄する警察機関の通信統制官等に連絡しておくものとする。
第6 本協議に基づく警察通信設備の使用に関しては、原則として警察通信設備の新設もしくは増設または通信機器の貸与は行なわないものとする。
附 則
1 本協作は、昭和38年 月 日から施行する。
別表
通信統制官等の指定
設備区分\機関別
警察本部
方面本部
警察署
交番その他の派出所及び駐在所
警察有線電話
通信庶務課長
警務課長
通信取扱主任
左に同じ
警察無線電話
超短波無線電話局
地域企画課長
地域課長
札幌方面にあつては警察本部地域企画課長
他方面にあつては方面本部地域課長
左に同じ
中短波無線電話局
警務課長
警務課長
札幌方面にあつては警察本部警務課長
他方面にあつては方面本部警務課長
左に同じ
警察無線電話
通信庶務課長
上に同じ
上に同じ
左に同じ