「あおり運転」(妨害運転)は、重大な交通事故につながる極めて悪質・危険な行為です。
車を運転する際は、周りの車等に対する「思いやり・ゆずり合い」の気持ちを持って、安全な速度・方法での運転を心掛け、十分な車間距離を保つとともに、不必要な急ブレーキや無理な進路変更等は絶対にやめましょう。
令和2年6月10日に公布された道路交通法の一部を改正する法律により、妨害運転(「あおり運転」)に対する罰則が創設されました。これにより、令和2年6月30日から、他の車両等の通行を妨害する目的で、急ブレーキ禁止違反や車間距離不保持等の違反を行うことは、厳正な取締りの対象となり、最大で懲役3年の刑に処せられることとなりました。
また、妨害運転により著しい交通の危険を生じさせた場合は、最大で懲役5年の刑に処せられることとなりました。
さらに、妨害運転をした者は運転免許を取り消されることとなりました。
※ 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律も改正され、危険運転致死傷罪の対象となる行為が追加されました(令和2年6月12日公布、令和2年7月2日施行)。
妨害運転のような悪質・危険な行為により人を死傷させた場合には、危険運転致死傷罪(妨害目的運転)等にも当たる場合があり、さらに厳罰に処せられることがあります。
警察では、他の車両等の通行を妨害する目的で行われる悪質・危険な運転に対して、今回創設された妨害運転罪や危険運転致死傷罪(妨害目的運転)等のあらゆる法令を駆使して、厳正な捜査を徹底することとしています。
また、妨害運転等の悪質・危険な運転を未然に防止するため、車間距離不保持、進路変更禁止違反、急ブレーキ禁止違反等の道路交通法違反について、積極的な交通指導取締りを推進しています。
さらに、今回の道路交通法改正に伴い、妨害運転をしたものは、当該行為のみで運転免許の取消処分の対象となることから、このような運転を行う悪質・危険な運転者を早期に排除するため、迅速に行政処分を行うこととしています。
※ 妨害運転罪や危険運転致死傷罪(妨害目的運転)等の適用が困難で、点数制度による処分に至らない場合であっても、悪質・危険な運転に起因して暴行、傷害 、脅迫、器物損壊等が行われ、「自動車等を運転することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがあるとき」と認められる場合には、危険性帯有者として、運転免許の停止処分を積極的に行うこととしています。
妨害運転を受けるなどした場合は、サービスエリアやパーキングエリア等、交通事故に遭わない場所に避難するとともに車外に出ることなく、ためらわずに110番通報をしてください。
また、ドライブレコーダーは、運転行為が記録されることから、妨害運転等の悪質・危険な運転行為の抑止に有効です。事故やトラブルのときにあなたを守るドライブレコーダーを装着し、有効に活用しましょう。
車を運転する際は、周りの車の動きなどに注意し、相手の立場について思いやりの気持ちを持って、ゆずり合いの運転をすることが大切です。
また、交通事故防止のためには、前の車が急に止まっても、これに追突しないような安全な速度と車間距離をとることが必要です。
正しい交通ルールを守った運転で、皆が安全・快適に通行できる交通環境をつくりましょう。