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オウム真理教の動向


オウム真理教の動向

1 教団の現状
 オウム真理教(以下「教団」という。)は、麻原彰晃こと松本智津夫(以下、「松本」という。)への絶対的帰依を強調する(「Aleph(アレフ)」)をはじめとする主流派と松本の影響力がないかのように装う「ひかりの輪」を名乗る上祐派が活動しています。
 なお、公安審査委員会は、平成30年1月22日、教団に対し、現在も無差別大量殺人行為に及ぶ危険性があるなどとして、無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律(以下「団体規制法」という。)に基づき、観察処分の期間を3年間(平成33年(2021年)1月末まで)更新する決定を行いました。

(1) 死刑の執行をめぐる動向
 法務省は、平成30年7月6日及び同月26日、地下鉄サリン事件等13事件の首謀者として殺人等の罪に問われ、平成18年9月に死刑が確定していた松本ら13人に対する死刑を執行しました。
 このような中、主流派では、松本に対する死刑の執行後においても、信者の動揺を抑えるため、同人が依然として絶対的な存在であることを強調するとともに、同人の説いた教義に沿った運営を続けているものとみられます。
 一方、上祐派は、教団に対して社会の関心が向けられる中、報道機関の取材等を通じて、教団による一連の事件の被害者に対する補償や再発防止に一層取り組むことを強調しました。

(2) 松本への絶対的帰依を強調する主流派
 主流派は、平成30年中も依然として松本を「尊師」と尊称し、同人の「生誕祭」を開催しているほか、松本の写真を拠点施設の祭壇に飾ったり、説法会等を定期的に開催し、信者に対して同人の「偉大性」を称賛する内容のDVDを視聴させたり、同人への絶対的帰依を求める文言を繰り返し唱和する修行等に取り組ませたりするなど、松本への絶対的帰依を強調して「原点回帰」路線を徹底しています。主流派施設内の状況の写真
 また、「Aleph(アレフ)」では、松本の二男の教団復帰をめぐる動向に端を発して生じた内紛に伴い、二男の教団復帰を指示する最高幹部を中心とする執行部がこれまで複数の幹部信者等を処分するなど、統制を図ってきましたが、絶対的な存在である松本の地位の継承や指導体制の変化はこれまでのところ確認されていません。
 なお、執行部により排除された信者の一部は、松本及び同人の説く教義を基盤としながら、「Aleph(アレフ)」とは一定の距離を置いて活動を継続しているとみられます。
 今後も主流派は、松本が依然として絶対的な存在であることを強調するとともに、同人の説いた教義に沿った運営を行いながら、組織の拡大、統制を図っていくものとみられます。

(3) 松本の影響力払拭を装う上祐派
 上祐派は、同派のウェブサイトに旧教団時代の「反省・総括の概要」を掲載したり、各種メディアを通じて松本からの脱却を強調したりするなどし、松本の影響力がないかのように装って活動しているほか、上祐史浩代表が出演するトークイベントを活用したり、著名人との対談や報道機関の取材を積極的に受け入れたりするなどして、「開かれた教団」のアピールに努めています。
 また、同派は、宗教団体ではなく「思想哲学の学習教室」であるとして、一部法具等の使用停止や祭壇の廃止等、組織の刷新をアピールするなどしています。このような中、同派は、平成27年に更新された団体規制法に基づく観察処分の決定に対して、同年6月1日に提起した同決定の取消しを求める行政訴訟が継続中であるところ、平成30年に更新された観察処分の決定に対しても、同年2月に同決定の取消しを求める行政訴訟を提起しています。
 さらに、松本を絶対とする「Aleph(アレフ)」を批判して自派の活動を正当化するなどし、団体規制法に基づく観察処分の適用回避に向けた取組に全力を挙げています。
 今後も上祐派は、松本からの脱却を装いながら、観察処分の適用回避に取り組み、組織の維持を図っていくものとみられます。

(4) 組織拡大に向けた動向
 教団は、15都道府県に34か所の拠点施設を有し、信者数は、その活動状況等から合計で約1,650人とみられます(平成31年3月末時点)。オウム真理教の拠点施設の図表
 道内では、主流派が「札幌白石施設」(札幌市白石区)及び「札幌施設」(札幌市豊平区)の2か所に、上祐派が「札幌東施設」(札幌市東区)の1か所に、それぞれ拠点施設を有しています。
 主流派は、教団名を秘匿し、街頭や書店において声掛けを行ったり、SNSを利用し宗教色を感じさせない各種イベントを開催したりして、青年層を中心に接触を図り、ヨーガ教室に勧誘するなどして新規信者を獲得しています。
 一方、上祐派は、各拠点施設で開催している「上祐代表説法会」や各地の神社仏閣等を訪問する「聖地修行」等の行事について、ウェブサイトを通じて参加を呼びかけるなどし、信者獲得を図っています。


【事例】主流派「Aleph(アレフ)」による勧誘活動
導入
  •  家族や知人への働きかけ、路上や書店における声掛け、SNSでの呼び掛け等により、教団による一連の事件を知らない青年層を中心に接近する
           下向き矢印
人間関係の構築
  •  連絡先を交換してカフェでのお茶会等に誘い、教団名を伏せた仏教の勉強会やヨーガ教室に参加させ人間関係の構築を図る
  •  サクラの信者1、2人が勉強会やヨーガ教室に参加して悩み事を聞くなどし、一般参加者であるように装って被勧誘者の抵抗感を取り除く
           下向き矢印
入信
  •  教団名を徹底して伏せた上、一連の事件は国家ぐるみの陰謀と説明するなどして、教団に対するイメージを変化させていき、抵抗感がなくなったことを確認した段階で初めて教団名を告知して入信させる

2 オウム真理教対策の推進
 教団は、依然として松本及び同人の説く教義を存立の基盤とするなど、その本質に変化がないと認められることから、警察では、無差別大量殺人行為を再び起こさせないため、引き続き、関係機関と連携して教団の実態解明に努めるとともに、組織的違法行為に対する厳正な取締まりを推進しています。
 
道警察では、平成29年11月、アレフ信者が被勧誘者との間で仏教名目の勉強会の受講契約を締結した際に契約内容を明らかにする書面を交付しなかったとして、札幌白石施設等の5か所を捜索しました。その後の捜査により、被勧誘者に「うちはアレフではない」などと虚偽の説明をしていたことも明らかとなり、平成30年1月、同信者を特定商取引に関する法律違反(書面の不交付・不実の告知)で検挙しました。
教団施設周辺における警戒活動状況の写真 一方、平成31年3月20日で地下鉄サリン事件から24年が経過し、教団に対する国民の関心が薄れ、一連の凶悪事件に対する記憶が風化することなどにより、教団の本質が正しく理解されないことも懸念されます。そのため、警察では、教団の現状について広報したり、教団の組織的違法行為に対する検挙事例や警戒活動等教団に対する警察の取組について、住民や地方自治体等に対して情報発信を行ったりしています。
 また、教団施設周辺の地域住民の安全・安心を確保するため、その要望も踏まえ、教団施設周辺におけるパトロール等の警戒警備活動を実施しています。
※オウム真理教による主な事件
事件名 発生日 死者数及び負傷者数
@弁護士一家殺害事件(殺人) 平成元年11月4日 死者3人
A松本サリン事件(殺人・殺人未遂) 平成6年6月27日 死者8人、負傷者約140人
B公証役場事務長逮捕・監禁致死事件
 (逮捕監禁致死・死体損壊)
平成7年2月28日 死者1人
C地下鉄サリン事件(殺人・殺人未遂) 平成7年3月20日 死者13人、負傷者5,800人以上
※オウム真理教犯罪被害者等を救済するための給付金の支給に関する法律に基づき給付金の支給を受けた被害者数

平成31年4月
北海道警察本部公安第一課